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品質向上、生産拡大を目指して・リンゴ栽培推進大会

更新“農業”への取り組み

JA上伊那果樹部会リンゴ専門部は1月16日、初のリンゴ栽培推進大会を伊那市狐島のJA本所で開いた。管内の生産者約60人がグループディスカッションを行い、昨年の栽培の振り返りと台風対策について情報を共有した。課題を整理し、様々な情報を今後の栽培管理に生かすことで、品質向上や生産拡大、生産意欲向上につなげる狙い。
リンゴは、上伊那管内の果樹栽培面積280ヘクタールの約7割を占める品目。2019年の生産戸数は、450戸で前年より減少しているものの、新規就農者の確保や品種更新、高密植栽培の普及により栽培面積は増加傾向にある。更なる生産基盤の安定と品質向上を図ろうと、推進大会を開催した。
グループディスカッションでは、8グループに分かれて意見を出し合った。台風対策がうまくいかず被害が出たことや防除のタイミングが悪かったこと、着色不良などの反省が出され、それぞれで対策を話し合った。また各生産者の台風対策についても話し合い、少しでも被害を抑えていけるように情報を共有した。
他にも、台風対策の事例発表や先進地視察研修報告、JA職員から生産振興に向けた取り組みについて話があり、生産者らは熱心に耳を傾けた。
同専門部の唐木和成専門部長は「異常気象を当たり前とした栽培方法や、いろいろな対応を考えていかなければならない。ひとつでも多く選果できるよう、生産者で協力していきたい」と話した。

共同剪定で果樹農地の維持を・生産者の技術向上にも一役

更新“農業”への取り組み

JA上伊那果樹部会北部支部果樹研究会による共同剪定が1月20日から始まった。高齢化などの理由で剪定作業が困難な生産者の支援や、生産者同士の技術向上を目的に、20年以上前から毎年行われている。今年は辰野町と箕輪町、伊那市から、リンゴ6件(96アール)、ナシ2件(34アール)、ウメ1件(35アール)の申し込みがあった。会員らは、互いに相談しながら剪定作業を行った。
初日は早朝から会員やJA職員ら約25人が集まり、リンゴ園とナシ園に分かれて作業をスタート。チェンソーやノコギリ、剪定バサミなどを使い、作業を進めた。
同会の共同剪定は、園主も参加し現場で意向を聞きながら進めるのが最大の特徴だ。今年初めて共同剪定を依頼した箕輪町のリンゴ園主、井澤武子さん(69)は「自分の思いをくみ取って進めてくれてありがたい。分からないことも教えてもらえる」と話す。
さらに、研修生や若手農家がベテラン生産者と組んで作業を行うことで、剪定技術の向上にもつながっている。昨年新規就農した井坪崇さん(37)は「先輩に聞いたことは自分の園でも生かせる。いい勉強になる」と話した。
同研究会の重盛正会長は「剪定は果実づくりの基礎であり、品質に影響する作業なので、若い生産者は勉強になると思う。果樹農地を維持し、1件でも農家を減らさないようにしていきたい」と話した。
研究会による剪定作業は22日まで行われる。

上伊那果樹産地ブランド強化へ

更新“農業”への取り組み

JA上伊那果樹部会は1月14日、駒ヶ根市のJA駒ヶ根支所アイパルで「令和元年度上伊那果樹振興大会」を開いた。
管内でリンゴや梨、ブドウ、桃などの果樹を栽培する生産者やJA職員など約50人が出席。今年度の実績及び反省点、令和2年度の振興方針を確認した。
今年度は、春先の凍霜害や、台風19号の影響で大きな被害を受け、収穫量が低下した。販売単価は高値で推移したが、計画達成は難しい状況。
次年度に向け、異常気象が常態化している近年、災害への対策が急務。生産者として個人でできること、部会全体で取り組むことを考えていこうとの方針を確認した。また、JA独自の生産拡大支援事業についても説明し、生産者の意欲向上と栽培面積の拡大を促した。
「上伊那果樹産地ブランド強化に向けて」をテーマにグループディスカッションも行い、部会員からは「品目の垣根を越えて連携し、リレー方式による出荷で『上伊那』の名前が年間通して売り場に出るようにていきたい」等の意見が出された。
これまでは、品目ごとに振興大会を開いていたが、昨年初めて果樹部会全体の振興大会を開き今回で2回目。JA果樹部会の杉山栄司部会長は「グループディスカッションにより新しいインスピレーションを得て日々改善を目指し、より良いものを作ることで果樹部会としてもいい形になると思う。これからも続けていきたい」と話した。

日本一の産地に向けて・トルコギキョウ播種開始

更新“農業”への取り組み

JA上伊那の花卉の主幹品目である「トルコギキョウ」の播種作業が、伊那市東春近の農事組合法人いなアグリバレーで始まっている。今年の播種は1月6日に開始。約2週間おきに組合員が交代で作業し、5月下旬までに計12回の播種作業が行われる。今年は、北海道など他産地への供給分も合わせて、上伊那オリジナル品種を中心に約330万本分の種をまく計画だ。
同法人では1月14日に2回目の播種作業が行われた。組合員約20人が作業に当たり、約700枚のトレイに土を入れてから種を播き、20℃に設定された育苗ハウスにトレイを並べた。
トレイには、専用の機具3台を使いながら播種。トレイ1枚から300本以上のトルコギキョウが育つ。この日は約35品種の種をまいた。ハウスで1センチほどになるまで育苗し、3月中旬から7月下旬までに約90戸の生産者へ苗を届ける。
同法人の吉澤昭夫組合長(64)は「良い苗の生産を心がけている。生産者には良質なトルコギキョウを出荷してもらいたい。日本一になれるよう、更に努力していきたい」と意気込んだ。
同JAでは、上伊那を日本一のトルコギキョウ産地にしようと、生産農家の増加や作付面積の拡大に取り組むなど、生産振興に力を入れる。生産しやすく、比較的価格が安定していることから若手生産者が増えていて、出荷量は10年前から倍増している。

地元の牛乳を知ろう!

更新食農教育

JA上伊那は1月15日、南箕輪村立南箕輪小学校の1年生106人を対象に酪農授業を行った。学校給食で月1回提供されている地元産の牛乳「酪農家のおもてなし」について学びたいという、同校からの依頼があり、給食に牛乳が提供される日に合わせて実施。JA職員が講師となり、牛の生態や搾乳の流れを学習した後、搾乳マシーンを使った擬似搾乳体験を行い、酪農について楽しく学んだ。
酪農授業は、同JAと上伊那地域酪農協議会が行う教育ファームの一環。酪農の魅力や地元の牛乳の良さを学習してもらおうと、学校から要望が来る度に授業を行っている。
授業では「おもてなしぎゅうにゅうのひみつをしろう」と題し、動画を見ながら搾乳の流れを学習。ミルカーという機械を使い自動で搾乳することや、その際には消毒し安全を保っていることなどが話された。講師をしたJA畜産課の木嵜章夫係長は「牛乳は牛の赤ちゃんのご飯だけど、皆はそれを飲ませてもらっている。だから大事に飲んで、残さないようにしよう」と呼びかけた。
授業を受けた児童は「搾るのが楽しかった。今日の給食が楽しみ」と話した。
酪農授業を依頼した、栄養教諭の北原美津子さん(56)は「今はどうやって牛乳が搾られるかを知らない子が多い。授業をすることで、学習したことを意識しながら飲めると思う」と感謝を話した。
「酪農家のおもてなし」は、2015年に誕生したブランド牛乳。消費者とつながりたい想いや、子どもたちに地元の安全安心な牛乳を飲んでもらいたいという願いが込められている。

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