最新の農業新聞 上伊那の話題

「農業の時代」を力説

更新“地域”への取り組み

JA上伊那と上伊那農政対策委員会は8月下旬、「日本農業の未来を切り拓(ひら)くシンポジウム」を伊那市のJA本所で開いた。農林水産物の輸出拡大に向けて農水省が進めるプロジェクト「グローバル・ファーマーズ・プロジェクト」(GFP)の参加呼び掛けに同市を訪れた自民党の小泉進次郎衆院議員(党農産物輸出促進対策委員長)や地元選出の宮下一郎衆院議員らが基調講演をした。
JA役員や認定農業者、集落営農組織代表、若手農業者ら約350人が参加。講演の後は参加者と意見交換した。
小泉氏は「ポスト平成は、農業の時代」と題して講演。医療の発達に伴う人生100年時代の到来や、急速な技術革新による第4次産業革命が起きたとしても、「人間は食べなくては生きていけないことは絶対に変わらない。だから農業が大事になる」と力説。また、2年後の東京五輪・パラリンピックに向けて、農業生産工程管理(GAP)認証取得を勧めた。
意見交換では、参加者から「農家が使いやすい補助金を出してほしい」「海外輸出しやすい体制をつくってもらいたい」といった意見が活発に出た。
JAの御子柴茂樹組合長は「国からの支援を含め、上伊那を第1次産業の(力を)発揮できる地域にしていきたい」と話した。

出来栄え上々

更新“農業”への取り組み

長野県JA上伊那管内で、種なしで皮ごと食べられるブドウ「ナガノパープル」の収穫が最盛期を迎えている。収穫は9月上旬から始まり、9月末までの予定。生育は例年より1週間から10日進んでいる。
箕輪町でブドウ50アールとリンゴ70アールを栽培する高田知行さん(49)の畑では14日、収穫が行われた。高田さんは「今年は夏場の日照があったため、粒の伸びもよく糖度も高い。台風で枝に当たり実が裂ける被害が若干あったが、出来は良い」と手応えを示す。
JAの出荷量は、昨年の2倍の500キロを見込む。営農経済部園芸販売課の兼子敦営農指導員は「木が成長してきたことや生産者が少しずつ増えていることから、出荷量が増えてきている」と話す。
「ナガノパープル」や「シャインマスカット」などの種なしで皮ごと食べられる品種は市場ニーズが高く、JAは生産振興に力を入れている。2016年度から18年度までJAが独自で行う農業振興生産支援事業「+10(プラステン)」では、この2品種に限り、平棚の施設購入費の一部を支援してきた。
管内で、9月下旬から10月中旬にかけては、「シャインマスカット」が収穫シーズンを迎える。

役職員 意識向上を

更新“地域”への取り組み

JA上伊那は8月下旬、伊那市の本所で、JA自己改革の一環として、管理部門役職員研修会を初めて開いた。御子柴茂樹組合長をはじめ、常勤役員や理事、各支所の支所長と組合員課の職員、総務企画部の職員ら144人が参加。次期3カ年計画の策定に向けて、10年、20年先を見据えていくには、職員がJAの現状を把握し、自己改革を理解することが必要と、研修会を企画した。
協同活動の取り組み事例などの発表の後、「家の光」講師で農協問題研究者の板野光雄さんが講演した。協同組合の成り立ちなどの基礎から、政府による強引な農協改革の内容、改革の本当の狙いなどを解説。JA側の反省点として、組合員の「顧客化」や職員の「会社員化」の進行を指摘した。さらに、JAの未来のためには、若年層の参画や地域住民の応援、女性パワーが欠かせないとした。
御子柴組合長は「JAが生き残るためには、職員の意識向上が必要になってくる。管理部門の職員は、JAのガバナンスを担う一員ということを意識して、業務に取り組んでほしい」と強調した。

児童の助けで、合同避難訓練

更新“地域”への取り組み

飯島町にあるJA上伊那の宅幼老所「なごみの家」は8月下旬、地域との合同避難訓練を行った。施設利用者と年間を通じて交流している同町の七久保小学校5年生や、地元自治会の役員ら30人ほどが参加。児童と利用者の交流時に地震が発生し、火災が起きたとの想定で訓練した。
合同避難訓練は今年で3回目。昨年9月には、地元の二つの自治会と災害時の避難などに関する協定を結び、さらに地域との連携を強めている。
訓練では、児童らは協力して利用者に防災頭巾をかぶせ、机の下に隠れた。職員の呼び掛けで、児童から外に避難し、続いて利用者も避難した。自治会役員が手助けし、全員無事に避難できた。
同校の田中敏彦校長は「助けようとすることが子どもたちの勉強になる。とてもありがたい」と感謝を述べた。
同施設の宮下香穂里施設長は「地域の中で、互いに助け合う関係をさらに築いていきたい」と話した。

魅力的な農業を

更新“農業”への取り組み

JA上伊那は8月下旬、担い手経営体・新規就農者合同セミナーを伊那市のJA本所で開いた。認定農業者や集落営農組織の代表、新規就農者、JA生産部会代表ら130人ほどが出席。リンゴ専業農家の実践報告や青果物の動向に関する基調講演に耳を傾けた。
セミナーは持続可能な地域営農体制をつくろうと、担い手経営体や新規就農者が集まる機会として、年1回開いている。
実践報告では、伊那市高遠町と箕輪町、南箕輪村でリンゴ約5ヘクタールを栽培する伊藤剛史さん(36)が発表。税理士事務所に勤務後、父親からリンゴ園を引き継ぎ、高密植栽培で約3.3ヘクタール拡大した経緯を発表した。高密植栽培のメリットや、作業の効率化に向けた機械導入など自身の取り組みに触れ、「農業の後継ぎがいない理由はもうからないから。効率の良いやり方でもうかる農業を目指したい」と意気込んだ。
リンゴをたくさん作りJAに出荷するという方針で「産地として生産者が増えてほしい。農園に携わった全ての人を、幸せにしたい」と話した。
JAの下村篤常務は「勇気をもらう発表だった。輪が広がり生産者が増えていってほしい」と期待した。

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